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広報の成果指標(KPI)とは?KGIとの違いや使える具体例・設定手順を解説

目次

Table of Contents

  • 広報の成果指標(KPI)は、企業のフェーズや「認知」「ブランド構築」「売上貢献」などの目的に合わせて選定することが重要です。

  • KGI(最終目標)から逆算してKPI(中間指標)を設定し、KFS(成功要因)を特定することで、納得感のある目標管理が可能になります。

  • 「広告換算値」などの量的な指標だけでなく、記事の論調やターゲット適合性といった「質」の評価も組み合わせることで、本質的な広報価値を可視化できます。

「広報活動を頑張っているけれど、その成果が社内に伝わらない」「経営層から数字での報告を求められるが、何を指標にすればいいのか分からない」……。そんな悩みを抱えていませんか?直接的な売上への貢献が見えにくい広報活動において、成果を「見える化」することは多くの担当者にとって大きな壁です。しかし、適切なKPI(重要業績評価指標)を設定できれば、広報の価値を客観的に証明し、社内の協力を得やすくなります。この記事では、広報活動の目的に合わせた具体的なKPIの事例と、納得感のある目標設定のステップを分かりやすく解説します。

広報の成果が見えにくい理由とKPI設定の重要性

広報活動の成果が見えにくい最大の理由は、その効果が「長期的」かつ「間接的」に現れるためです。広告のように「出稿すればすぐにアクセスが増える」という即効性は稀で、地道なメディアリレーションズや情報発信を通じて、徐々に信頼や認知が積み上がっていきます。また、記事掲載が直接の購入に結びついたのか、それとも他の要因か判別しにくいことも要因の一つです。

だからこそ、KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の設定が不可欠です。KPIという「共通の物差し」を持つことで、曖昧になりがちな広報の成果を数値化し、経営層や他部署に対して「広報がどれだけ事業に貢献しているか」を論理的に説明できるようになります。適切なKPI設定は、広報担当者のモチベーション維持だけでなく、予算獲得や組織的な支援を得るための強力な武器となるのです。

広報におけるKGI・KPI・KFSの違いと関係性

広報におけるKGI・KPI・KFSの違いと関係性

広報の目標設定を行う際、まず理解しておきたいのが「KGI」「KPI」「KFS」の3つの指標の関係性です。これらは階層構造になっており、混同すると目標の軸がぶれてしまいます。以下の表でそれぞれの定義と役割を整理しましょう。

用語

正式名称

広報における役割

KGI

Key Goal Indicator
(重要目標達成指標)

広報活動を通じて達成したい「最終的なゴール」
例:ブランド認知度No.1、業界内での信頼獲得など。

KPI

Key Performance Indicator
(重要業績評価指標)

KGIに到達するための「中間目標」
例:メディア掲載数、指名検索数など。

KFS

Key Factor for Success
(重要成功要因)

KPIを達成するために必要な「具体的な鍵となる行動」
例:有力記者との関係構築、切り口の刷新など。

KGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)の定義

KGIは、広報活動の「最終ゴール」です。例えば「業界内での信頼度No.1になる」「採用市場での認知を確立する」といった、経営課題に直結する成果を指します。一方、KPIはそのゴールに辿り着くまでの「マイルストーン(中間地点)」です。KGIが達成できているかを測るために、「主要メディアへの掲載10件」「指名検索数120%増」といった具体的な数値を設定します。KGIが「目的」なら、KPIはそれを測る「手段」と捉えると分かりやすいでしょう。

広報活動におけるKFS(重要成功要因)の役割

KFS(CSFとも呼ばれます)は、設定したKPIを達成するために「何をすれば成功するのか」という具体的な要因や行動指針を指します。例えば、KPIが「ビジネス誌への掲載数」であれば、KFSは「編集長クラスとのリレーション構築」や「時流に合わせた社会性のあるプレスリリースの作成」などが該当します。KPIという数値を追うだけでなく、その数値を達成するための「具体的なアクション(KFS)」を明確にすることで、日々の広報活動の精度が高まります。

【目的別】すぐに使える広報の成果指標(KPI)具体例リスト

「他社がやっているから」という理由だけでKPIを選んでいませんか?広報のKPIは、企業のフェーズや解決したい課題(目的)によって最適なものが異なります。ここでは、広報活動の主要な4つの目的別に、すぐに使える具体的な指標を紹介します。自社の状況に最もフィットするものを選んでみてください。

「認知拡大」を目的とする指標(メディア掲載数・広告換算値など)

単に知られているだけでなく、「正しく理解されているか」「好感を持たれているか」を重視する場合の指標です。

  • 指名検索数:Googleなどの検索エンジンで「会社名」や「サービス名」で検索された回数。ブランドへの関心の高さをダイレクトに反映します。

  • ブランド好意度・認知度調査:定期的なアンケート調査を行い、ブランドイメージの変化を定点観測します。

  • SNSのエンゲージメント数:「いいね」や「リポスト」「コメント」の数。ファンとの結びつきの強さを測ります。

「行動変容・売上貢献」を目的とする指標(Web遷移数・問い合わせ)

広報活動をマーケティングや売上に接続させたい場合に設定する、より実利的な指標です。

  • メディア経由のWebサイト遷移数:Web記事内のリンクから自社サイトへ流入した数。Googleアナリティクスなどで計測します。

  • 問い合わせ・資料請求数(CV):広報露出をきっかけに発生したリード獲得数。「何を見て問い合わせましたか?」というアンケート項目で測定することもあります。

  • オーガニック検索流入数:記事掲載後に自然検索からの流入がどれだけ増えたかを確認します。

「ブランド構築・理解促進」を目的とする指標(指名検索数・好意度)

KPIは単に数値を決めれば良いというものではありません。納得感があり、かつ達成可能な目標にするためには、正しい手順で設定する必要があります。ここでは、成果につながるKPI設定の4ステップを解説します。

ステップ1:経営課題から広報の目的(KGI)を明確にする

まずは経営課題や事業目標を確認しましょう。「新規顧客を増やしたい」のか「採用難を解決したい」のかによって、広報が目指すべきゴール(KGI)は全く異なります。広報活動が経営にどう貢献するのかを言語化し、KGIを定めることが全ての出発点です。

ステップ2:ターゲットとアプローチ方法を定める

定めたKGIを達成するために、「誰に(ターゲット)」「何を(メッセージ)」「どうやって(手法)」伝えるかを設計します。ターゲットがビジネス層なら経済メディア、若年層ならSNSなど、アプローチ方法によって見るべき指標も変わってくるため、この段階で戦略を具体化します。

ステップ3:SMARTの法則を用いてKPIを数値化する

目標設定のフレームワーク「SMARTの法則」を活用してKPIを具体化します。

  • Specific(具体的か):誰が見ても分かる指標か。

  • Measurable(測定可能か):数値で測れるか。

  • Achievable(達成可能か):現実的な目標値か。

  • Relevant(関連性があるか):KGI達成に繋がっているか。

  • Time-bound(期限があるか):いつまでに達成するか。

これらに当てはめ、「下半期までに(T)、Webメディア掲載を(S)、10件獲得する(M)」のように設定します。

ステップ4:PDCAサイクルで定期的に見直しを行う

KPIは一度設定して終わりではありません。月次や四半期ごとに実績を確認し、達成できた要因や未達の原因を分析します。社会情勢や会社のフェーズ変化に合わせて、柔軟にKPI自体を見直す(チューニングする)ことも、形骸化を防ぐために重要です。

広報KPI運用で陥りがちな失敗と対策

KPIを設定しても、その運用方法を誤ると、かえって広報活動の質を下げてしまうことがあります。ここでは、多くの企業が陥りがちな失敗パターンと、それを回避するための対策を紹介します。

「社内広報・採用」を目的とする指標(応募数・従業員エンゲージメント)

掲載数(量)だけを追うと、「ネガティブな文脈で取り上げられた」「ターゲットではない媒体に掲載された」といった場合でも成果としてカウントされてしまいます。これでは本末転倒です。 対策として、「ポジティブ・ニュートラル・ネガティブ」の論調分析を行ったり、記事内で「自社が伝えたいキーメッセージが含まれているか」を確認したりするなど、掲載の「質」を評価軸に加えることを強くおすすめします。

「広告換算値」だけに頼らない多面的な評価の必要性

広報の成果指標に「万能な正解」はありません。大切なのは、自社の経営課題やフェーズに合わせて、納得感のあるKPIを選び取ることです。まずは「認知」や「ブランド構築」など目的を明確にし、量と質の両面から測定を始めてみてください。成果が見えるようになれば、広報活動はもっと楽しく、戦略的なものになるはずです。

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