Table of Contents
- そもそも「PRの効果測定」とは?広告との違いと重要性
- 広報(PR)と広告の効果測定はどう違う?
- なぜ効果測定が必要なのか?(社内報告・PDCA)
- 初心者でも迷わない!PR効果測定の具体的な3ステップ
- 手順1:目的(KGI)と指標(KPI)を設定する
- 手順2:測定ツールを使ってデータを収集する
- 手順3:結果を分析し、次のアクション(PDCA)につなげる
- これだけは押さえたい!PR効果測定の主要な指標(KPI)一覧
- メディア掲載数・広告換算値(アウトプット指標)
- Webサイトへの流入数・指名検索数(アウトカム指標)
- SNSのエンゲージメント・シェア数
- 意識変容・認知度(定性調査)
- 効率的に測定するためのツール活用術
- 無料で使えるツール(Googleアナリティクスなど)
- 本格的な分析に役立つPR専用ツールと選び方
- 失敗しないために!効果測定の注意点とよくある課題
- 「広告換算値」だけに頼らない多面的な評価を
- 数値化しにくい「質」の評価も忘れない
- PRの効果測定に関するよくある質問(FAQ)
- まとめ:効果測定を習慣化して広報活動の価値を高めよう
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PRの効果測定は、広報活動の価値を可視化し、次の戦略を改善するために不可欠です。
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広告とは異なり、信頼性や共感といった「質」の評価も重要になります。
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初心者はまず「目的設定」「データ収集」「分析・改善」の3ステップから始めましょう。
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「広告換算値」などの単一指標に頼りすぎず、多面的な視点を持つことが成功の鍵です。
「今回のプレスリリース、どれくらい効果があったの?数字で報告して」
上司からそう言われて、ドキッとした経験はありませんか?広報(PR)活動は広告と違って成果が目に見えにくく、「何をもって成功とするか」が曖昧になりがちです。特に兼任広報や初心者の方にとって、正確な効果測定は大きな壁に感じるかもしれません。しかし、正しい測り方を知れば、あなたの広報活動が会社にどれだけ貢献しているかを自信を持って証明できるようになります。この記事では、専門用語が苦手な方でも今日から実践できる、PR効果測定の基本と具体的な手順をわかりやすく解説します。
そもそも「PRの効果測定」とは?広告との違いと重要性
PRの効果測定とは、広報活動が「誰に」「どのように」届き、その結果として「どのような変化」をもたらしたかを客観的なデータで把握することです。単にメディアに掲載された数を数えるだけでなく、その活動が経営目標やブランドの信頼構築にどう貢献したかを可視化するプロセス全体を指します。
広報(PR)と広告の効果測定はどう違う?
広報と広告は、情報の出方やコントロールの可否が大きく異なります。そのため、効果測定のアプローチも区別して考える必要があります。
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項目 |
広報(PR) |
広告 |
|---|---|---|
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掲載の決定権 |
メディア側(第三者) |
企業側(枠を購入) |
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内容の制御 |
コントロール不可 |
完全にコントロール可能 |
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主な効果 |
信頼醸成・認知・共感 |
認知・直接的な販促 |
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測定の難易度 |
高い(質的評価も必要) |
比較的容易(数値化しやすい) |
広告は「投下した予算に対してどれだけ売れたか(CPAやROAS)」が明確ですが、PRはメディアという第三者を介するため、直接的な売上への貢献が見えにくい側面があります。だからこそ、PR特有の指標を用いた測定が必要なのです。
なぜ効果測定が必要なのか?(社内報告・PDCA)
効果測定を行う理由は、主に2つあります。1つ目は「社内への価値証明」です。数値化しにくい広報活動を客観的なデータで報告することで、活動の正当性を伝え、次回の予算やリソースを確保しやすくなります。
2つ目は「PDCAサイクルを回すため」です。「なぜこの記事は読まれたのか」「なぜ今回は取材につながらなかったのか」を分析することで、次回のプレスリリースの切り口やアプローチ方法を改善し、広報活動の精度を高めることができます。
初心者でも迷わない!PR効果測定の具体的な3ステップ
「何から手をつければいいかわからない」という方のために、効果測定のプロセスを3つのステップに整理しました。いきなり高度な分析を目指す必要はありません。まずはこの基本的な流れを身につけることから始めましょう。
手順1:目的(KGI)と指標(KPI)を設定する
測定を始める前に、まず「何のために広報活動をするのか」というゴール(KGI)を明確にします。例えば「新サービスの認知拡大」がゴールなら、それを測るための指標(KPI)を設定します。
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KGI(最終目標):新サービスの認知度を上げる
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KPI(中間指標):Webメディア掲載数10件、指名検索数120%アップ
このように、ゴールと指標をセットで決めておくことが重要です。目的が曖昧なまま測定を始めると、単にデータを集めるだけで終わってしまい、改善につながりません。
手順2:測定ツールを使ってデータを収集する
指標が決まったら、実際にデータを集めます。アナログな方法とデジタルな方法を組み合わせるのが一般的です。
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クリッピング:新聞、雑誌、Webニュースなど、自社が掲載された記事を保存・記録します。
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Web解析:Googleアナリティクスなどのツールを使い、自社サイトへのアクセス数や流入経路を確認します。
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SNS確認:公式アカウントのインサイト機能で、いいね数やシェア数を記録します。
最初はExcelやスプレッドシートで管理表を作り、月次で数値を入力していくだけでも立派な効果測定になります。
手順3:結果を分析し、次のアクション(PDCA)につなげる
データを集めたら、必ず「分析」と「振り返り」を行います。目標(KPI)に対して達成できたのか、未達だった場合は何が原因かを考えます。
例えば、「掲載数は目標を超えたが、サイトへの流入が増えなかった」という場合、「記事の内容が専門的すぎて一般読者の興味を引けなかったのではないか?」といった仮説が立ちます。そこから「次はもっと平易な言葉でリリースを書いてみよう」という次のアクション(改善策)が生まれます。この繰り返しが広報担当者のスキルアップにつながります。
これだけは押さえたい!PR効果測定の主要な指標(KPI)一覧
広報の効果測定には多くの指標がありますが、すべてを追う必要はありません。ここでは、一般的に使われる主要な指標を「アウトプット」「アウトカム」などの視点で分類して紹介します。自社の目的に合ったものを選んでください。
メディア掲載数・広告換算値(アウトプット指標)
露出した結果、ユーザーがどう行動したかを測るのが「アウトカム指標」です。ビジネスへの貢献度を測る上で非常に重要です。
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Webサイト流入数:記事を読んだ人が、リンクを経由して自社サイトに来てくれた数です。
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指名検索数:Googleなどで「会社名」や「サービス名」で検索された回数です。記事を読んで興味を持った人が、わざわざ名前を入力して検索したことを示唆するため、認知拡大の強力な証拠になります。
SNSのエンゲージメント・シェア数
SNS上での反響も重要な指標です。特にBtoC(一般消費者向け)の商材やサービスでは重視されます。
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エンゲージメント数:「いいね」「コメント」「保存」などのアクション総数です。
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シェア(リツイート)数:情報がどれだけ拡散されたかを示します。
単なる閲覧数(インプレッション)よりも、ユーザーが能動的に反応したエンゲージメントの方が、情報の浸透度を測る上で価値が高いと言えます。
意識変容・認知度(定性調査)
手作業での集計には限界があります。効率よく正確なデータを集めるために、ツールの活用を検討しましょう。予算がない場合でも使える無料ツールから、本格的な有料ツールまで幅広く存在します。
無料で使えるツール(Googleアナリティクスなど)
まずは無料のツールを使いこなすことから始めましょう。これだけでも十分なデータが得られます。
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Googleアナリティクス (GA4):自社サイトへの流入数や、どのメディアから来たか(参照元)を分析できます。
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Googleサーチコンソール:どんなキーワードで検索されてサイトに訪れたか、指名検索数の推移を確認できます。
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Googleアラート:自社名やサービス名を登録しておくと、Web上で言及された際にメールで通知が届くため、掲載の見落としを防げます。
本格的な分析に役立つPR専用ツールと選び方
掲載数が増えてきたり、より詳細な分析が必要になったりした場合は、有料のPR効果測定ツールの導入を検討します。
有料ツールでは、Webニュースだけでなく、新聞・雑誌・テレビの露出を自動でモニタリングできたり、競合他社の露出状況と比較できたりします。選ぶ際は、「自社に必要な機能は何か(クリッピングだけで良いのか、分析までしたいのか)」と「予算」のバランスを見て決定しましょう。多くのツールには無料トライアルがあるため、まずは試してみることをおすすめします。
効率的に測定するためのツール活用術
「広告換算値で〇〇億円の効果!」という報告はインパクトがありますが、これだけに頼るのは危険です。広告換算値はあくまで「広告費に置き換えた場合の推定値」であり、記事の内容がポジティブかネガティブかまでは反映されません。
炎上して露出が増えた場合でも、広告換算値は高くなってしまいます。この数字はあくまで一つの参考指標とし、指名検索数や記事の論調など、他の指標と組み合わせて多面的に評価することが、信頼される広報活動への第一歩です。
失敗しないために!効果測定の注意点とよくある課題
Q. 効果測定はどのくらいの頻度で行うべきですか?
A. 基本的には「月次」での定点観測をおすすめします。毎月の推移を見ることで、季節要因や施策の影響を把握しやすくなります。また、大きなプレスリリース配信やイベント実施の際は、その都度スポットで測定を行いましょう。
Q. ひとり広報で時間がありません。最低限見るべき指標は?
A. 時間がない場合は、「メディア掲載数」と「自社サイトへの流入数(または指名検索数)」の2つに絞るのが良いでしょう。これらは活動の「量」と「行動変容」をシンプルに示す指標だからです。
Q. 経営層にPRの効果を理解してもらうコツはありますか?
A. 専門用語を使わず、経営課題(売上や採用など)と結びつけて報告することです。「掲載数が増えました」だけでなく、「掲載によって指名検索が増え、採用サイトへの応募が増加傾向にあります」といった具体的なビジネス貢献を示すと伝わりやすくなります。
「広告換算値」だけに頼らない多面的な評価を
PRの効果測定は、最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば広報活動の強力な武器になります。測定結果は、あなたの活動の「通信簿」ではなく、次の成功への「羅針盤」です。まずは完璧を目指さず、できる範囲から数値化を始めてみてください。客観的なデータが積み重なることで、社内での信頼も高まり、より戦略的で楽しい広報活動ができるようになるはずです。