Table of Contents
- 広告とは違う?メディア露出(PR)の基礎知識とメリット・デメリット
- 信頼性が段違い!メディア掲載がもたらす3つの効果
- コントロール不可?知っておくべきデメリットとリスク
- 中小企業でもチャンスあり!メディアが好む「ニュースバリュー」の作り方
- 「社会性」と「ストーリー」で共感を呼ぶネタ選び
- 地方メディアや専門誌を狙う「ランチェスター戦略」
- プレスリリースだけじゃない!取材を獲得するための具体的アクション
- 【基本】記者の目に留まる「プレスリリース」の構成と配信方法
- 【攻め】メディア関係者に直接売り込む「メディアプロモート」のコツ
- 【現代流】SNSやオウンドメディア発信から取材につなげる
- いざ取材決定!失敗しないための事前準備と当日の対応
- 想定質問の準備と「伝えたいメッセージ」の整理
- 記者はここを見ている!取材当日の振る舞いと逆質問
- メディア露出・取材獲得に関するよくある質問 (FAQ)
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メディア露出(PR)は広告と異なり、第三者視点での紹介となるため、社会的信頼性が飛躍的に向上します。
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中小企業やスタートアップでも、「社会性」や「ストーリー」を意識したネタ作りで取材獲得のチャンスは十分にあります。
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プレスリリースの配信だけでなく、地方紙や専門誌への直接アプローチ(メディアプロモート)が効果的です。
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取材当日は、想定質問への準備と「伝えたいメッセージ」の整理が成功の鍵を握ります。
「素晴らしい商品を作ったのに、誰にも知られていない」「広告を出す予算なんて、創業期の今の会社にはない……」そんな焦りや無力感を感じていませんか? 良いサービスを持っていても、認知されなければ存在しないのと同じになってしまうのがビジネスの厳しい現実です。しかし、諦める必要はありません。広告費をかけずに、自社の信頼と認知を一気に高める方法があります。それが「メディア露出(広報・PR)」です。この記事では、コネも予算もない中小企業・スタートアップの経営者が、ゼロからメディア掲載や取材を獲得するための具体的なステップを、現場の視点でわかりやすく解説します。
広告とは違う?メディア露出(PR)の基礎知識とメリット・デメリット
「メディア露出」や「PR(パブリック・リレーションズ)」という言葉を聞くと、テレビCMや新聞広告をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、広報活動によるメディア露出と広告は、似て非なるものです。創業期の経営者がまず理解すべき決定的な違いは、「お金で枠を買うか、信頼で枠を得るか」という点にあります。
広告は、企業がメディアにお金を支払って放送枠や掲載スペースを購入し、自社の言いたいことを発信するものです。一方、広報(PR)によるメディア露出は、メディア側が「これは世の中に伝える価値がある情報だ」と判断し、記事や番組として取り上げるものです。そのため、原則として掲載料は発生しません。
以下の表に、広告と広報(メディア露出)の主な違いをまとめました。
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項目 |
広告 |
広報(メディア露出) |
|---|---|---|
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費用 |
掲載料が必要(高額になりがち) |
原則無料(活動費は別途) |
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情報の主導権 |
企業側(コントロール可能) |
メディア側(コントロール不可) |
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信頼性 |
「売り込み」と見られやすい |
第三者視点で信頼性が高い |
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掲載の確実性 |
枠を買えば掲載される |
メディアの判断次第(不確実) |
このように、メディア露出は「無料」である代わりに「確実性」がなく、情報のコントロールが難しいという特徴があります。しかし、その分、第三者であるメディアが客観的に報じるため、消費者や取引先からの信頼獲得において、広告とは比べ物にならないほどの威力を発揮します。
信頼性が段違い!メディア掲載がもたらす3つの効果
メディアに掲載されることは、単に「有名になる」以上のビジネスインパクトをもたらします。特に実績の少ないスタートアップや中小企業にとって、その効果は計り知れません。
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社会的信用の獲得(ブランディング)
「新聞に載っていた会社」「テレビで紹介された商品」という事実は、強力な「お墨付き」となります。取引先への営業や銀行融資の際にも、記事を見せるだけで相手の見る目が変わり、話がスムーズに進むケースは少なくありません。 -
採用力の強化
求職者は必ず応募先企業を検索します。その際、ポジティブな記事が見つかれば、「将来性のあるしっかりした会社だ」という安心感を与え、優秀な人材の確保につながります。 -
売上への波及効果
テレビやWebニュースで話題になれば、自社サイトへのアクセスが急増し、直接的な注文や問い合わせにつながります。広告費をかけずに集客できる点は、経営資源の限られた企業にとって最大の魅力です。
コントロール不可?知っておくべきデメリットとリスク
「うちは小さな会社だし、画期的な新技術もないから取材なんて無理だ」と諦めていませんか? 実は、メディアが求めているのは必ずしも「世界初」や「大企業」のニュースだけではありません。メディアが探しているのは「ニュースバリュー(報道価値)」のある情報です。
ニュースバリューとは、簡単に言えば「今、世の中に伝える理由」です。単に「新商品を発売しました」というのは、企業にとってはニュースでも、世間にとってはただの宣伝です。しかし、そこに「社会的な背景」や「意外性」が加わると、途端にニュースになります。
例えば、単なる「お弁当の発売」ではなく、「物価高で苦しむ学生を支援するための、採算度外視のワンコイン弁当」であればどうでしょうか? そこには「物価高」という社会課題と、「学生支援」という社会性、そして「採算度外視」という企業のストーリーが生まれます。メディアはこうした「背景のある情報」を好みます。
中小企業が大手に対抗してメディア露出を狙うなら、スペックや規模で勝負するのではなく、この「ニュースバリュー」を意図的に作り出す企画力が重要です。自社の商品やサービスを、社会の動きやトレンドと結びつけることで、小さな会社でも十分に記者の目に留まるネタを作ることができます。
中小企業でもチャンスあり!メディアが好む「ニュースバリュー」の作り方
いきなり全国放送のテレビ番組や、大手全国紙(日経新聞など)を狙うのは、エベレストに軽装備で登るようなものです。競争率が高すぎて、情報の洪水に埋もれてしまいます。
中小企業が取るべきは、広報における「ランチェスター戦略(弱者の戦略)」です。まずは競争相手の少ない「地方メディア(地方紙、地方テレビ局)」や「業界専門誌」をターゲットにしましょう。地方メディアは常に「地元の頑張っている企業」のネタを探していますし、専門誌は「業界のニッチな新情報」を求めています。
こうしたメディアで実績を作ると、その記事を見た大手メディアの記者が取材に来るという「わらしべ長者」的な展開がよく起こります。まずは足元のメディアを大切にすることが、全国区への近道です。
「社会性」と「ストーリー」で共感を呼ぶネタ選び
プレスリリースは、メディアに向けた「公式ラブレター」です。記者は1通のリリースを数秒で判断すると言われています。そのため、以下のポイントを押さえた構成が必須です。
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タイトルが命(30文字以内で結論を)
記者はタイトルしか見ないこともあります。「新商品発売のお知らせ」のような平凡なタイトルはNGです。「【業界初】廃棄野菜を活用したクレヨンを発売、地元の保育園へ寄贈」のように、ニュースバリュー(新規性・社会性)が一目でわかるタイトルをつけましょう。 -
リード文(導入)で5W1Hを網羅
本文の最初の段落(リード文)だけで、誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように行うのかが全てわかるように書きます。記者はここを読んで記事の骨子をイメージします。 -
画像と連絡先は必須
記事にしやすくするために、高解像度の画像素材を用意しましょう。また、担当者の携帯電話番号など、すぐに連絡がつく連絡先を明記することも重要です。
地方メディアや専門誌を狙う「ランチェスター戦略」
最近の記者は、X(旧Twitter)やnoteなどのSNS、企業のオウンドメディアでネタ探しをしています。プレスリリースを出すほどではない日常の取り組みや、経営者の個人的な想いをSNSで発信し続けることも立派な広報活動です。
特に、「#(ハッシュタグ)」を活用してトレンドの話題に絡めた発信をしたり、noteで創業ストーリーを深く語ったりすることで、検索経由で記者に見つけてもらえるチャンスが増えます。プロフィール欄には必ず「取材依頼はこちら」と明記し、メディア関係者が連絡しやすい導線を作っておきましょう。
プレスリリースだけじゃない!取材を獲得するための具体的アクション
取材当日に頭が真っ白にならないよう、想定問答集(Q&A)を作成しておきましょう。「創業のきっかけは?」「苦労した点は?」「今後の展望は?」といった基本的な質問への回答を準備します。
さらに重要なのが、「これだけは絶対に伝えたいメッセージ(キーメッセージ)」を3つ程度に絞り込んでおくことです。話が脱線しても、必ずこのメッセージに立ち返るように意識することで、記事の軸がブレるのを防げます。専門用語は極力使わず、中学生でもわかるような平易な言葉で、短く言い切る練習をしておくと、記者も記事に引用しやすくなります。
【基本】記者の目に留まる「プレスリリース」の構成と配信方法
Q. PR会社に依頼しないとメディア露出は難しいでしょうか?
A. いいえ、自社だけでも十分に可能です。PR会社はコネクションやノウハウを持っていますが、費用がかかります。創業期や予算が限られている場合は、経営者自身の熱意やストーリーを直接伝える方が、記者の心を動かすことも多々あります。まずは自社でできるプレスリリース作成やSNS発信から始めてみましょう。
Q. プレスリリース配信サービスの費用相場はどれくらいですか?
A. サービスによりますが、1配信あたり3万円前後が一般的です。定額制のプランや、スタートアップ向けの無料・割引プランを用意しているサービスもあります。予算が全くない場合は、自社サイトやSNSでの発信に加え、メディアの代表メールや問い合わせフォームへ個別に送付する方法(無料)もあります。
Q. 取材で「オフレコ(ここだけの話)」は通用しますか?
A. 基本的には通用しないと考えた方が安全です。記者との信頼関係が深まっていれば別ですが、初対面の取材で「書かないでほしい」と言った内容が、誤って(あるいは意図的に)記事になるリスクはあります。公になって困る情報は、最初から話さないことが鉄則です。
Q. 地方の小さな会社ですが、全国ネットのテレビに出ることはできますか?
A. 可能性はゼロではありませんが、段階を踏むことをお勧めします。まずは地元の新聞やテレビで実績を作り、その記事や映像がWebニュースなどで拡散されることで、全国ネットの制作担当者の目に留まるケースが王道パターンです。「地方発のユニークな取り組み」として注目される戦略を練りましょう。
メディア露出は、一朝一夕で成果が出るものではありません。しかし、正しい戦略と継続的なアクションがあれば、予算のない中小企業でも必ず道は開けます。まずは自社の「ニュースバリュー」を見つけ出し、たった1通のプレスリリースを書くところから始めてみてください。その一歩が、会社の未来を大きく変えるきっかけになるかもしれません。